大阪地方裁判所 昭和26年(行)7号 判決
原告 畑伝右衞門 外一名
被告 大阪府
一、主 文
原告の訴を却下する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、事 実
請求の趣旨
被告が大阪市南区河原町一丁目千五百四十番地所在公衆浴場名称常盤湯についてなした申請人山田ウノ其の承継人佃正明に対する公衆浴場営業許可の処分はこれを取消す。
請求の原因
原告両名訴訟代理人は、請求原因として、「原告畑伝右衛門は大阪市南区坂町十一番地に於て南地温泉を、原告小川正雄は同区河原町一丁目千五百二十一番地に於て歓喜湯を、何れも公衆浴場の営業許可を得て現に営業している者である。被告は昭和二十五年二月訴外山田ウノの申請に対し、大阪市南区河原町一丁目千五百四十番地に於ける常盤湯と称する公衆浴場の営業を許可した。しかし右常盤湯の所在地は、南地温泉より二百二十米歓喜湯より百三十米の距離を置くにすぎない。従つて右常盤湯の営業許可は、浴場設置場所の地域的適正配置を要求する公衆浴場法第二条第二項、既設浴場から直線距離二百五十米以上の距離を置くこととする大阪府公衆浴場法施行細則第三条に違反する。よつてその取消を求める為本訴請求に及んだ次第である。」と述べた。
被告の答弁
被告訴訟代理人は、本案前の答弁として、主文と同趣旨の判決を求め、その理由として、「公衆浴場の営業許可は、都道府県知事が国の機関として為す処分であるから、行政事件訴訟特例法第三条に所謂、処分を為した行政庁は大阪府知事である。従つて当事者適格のない大阪府を被告とする原告の本訴は却下を免れない。」と述べた。
三、理 由
公衆浴場法第二条第一項は、「業として公衆浴場を経営しようとする者は、政令の定める手数料を納めて、都道府県知事の許可を受けなければならない。」と規定するから、公衆浴場営業許可の取消を求める抗告訴訟に於て、行政事件訴訟特例法第三条に所謂処分をした行政庁は都道府県知事である。従つて、仮に原告主張の如き営業許可が存在するとしても、大阪府を被告とする本訴は、当事者適格を欠く者を相手方とするものであるから、不適法として却下すべきものである。
よつて訴訟費用の負担について民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決する。
(裁判官 山下朝一 相賀照之 岩崎康夫)